
ハイアーチ(凹足)
ハイアーチとは、“土踏まず”の“内側縦アーチ”が通常よりも高く、足の甲が盛り上がっている足の状態です。
原因としては遺伝的要因、筋肉や靭帯の異常、神経筋疾患、足の骨構造の問題などが挙げられますが人によって様々です。
ハイアーチの足は、アーチが衝撃吸収の役割を果たさなくなり、踵と前足部に圧力が集中してかかるため、皮膚が硬くなり胼胝(タコ)や鶏眼(うおのめ)などができやすくなります。 症状が悪化すると足底腱膜炎などを引き起こす場合もあるため、早めの対策が必要です。
また、両親のどちらかがハイアーチだと、その子供もハイアーチになりやすく、子どもの「捻挫しやすい」「歩き方がおかしい」 にも注意が必要です。
ハイアーチ(凹足)の治療方法
治療方法には「保存療法」と「手術療法(根治手術)」があります。
「保存療法」には主として①装具(インソール)療法 ②運動療法(筋力トレーニングとストレッチ) ③靴の選定 があります。
重度のハイアーチや、土踏まずを上げるインソールで改善が見られない場合、手術の適応となる場合があります。
ハイアーチかな?と思ったら放置せず、早期の治療と足のケアが大切になります。
保存療法

①装具(インソール)療法
装具(インソール)とは、靴の中敷きのことです。
ハイアーチの方は足にタコ・ウオノメができている場合が多く、理由としてはアーチが分、歩く時の着地の衝撃が特定の箇所に集中するからです。
インソールを入れてアーチの働きをサポートすることで、衝撃を分散させることができるようになります。
当院では義肢装具士と連携し、適切な医療用のインソールを作成しています。(保険適応)
また症状の改善、再発防止のためには体重コントロール、減量も重要です。

②運動療法
ハイアーチの足では、足首や足底の筋肉が弱くなったり、硬くなっていることがあります。 足の筋力トレーニングを行うことで、足の筋肉を強化し、足の安定性を高めることができます。 また、足底のストレッチを行うことで、足底の筋肉や腱を柔らかくし、足の痛みを軽減することができます
いきなりジムやフィットネスクラブで激しい運動をする必要はありませんが、自宅で簡単かつ効果的な運動を続けることが大切です。
当院では自費トレーニングプログラムのご提案もしています。

③靴の選定
ハイアーチの足に合った靴を履くことで、足の負担を軽減することができます。
アーチサポートやクッション性の高い靴底や足の形に合わせた靴選び、正しい靴の履き方を行うことが大切です。
外科的療法(根治手術)
足の裏の筋力を強化することでも改善されない場合は、外科的手術治療になる場合があります。
こんな症状はありませんか?
☑︎ 平坦な道を歩いているのによく捻挫する。
☑︎ 運動を長くすると、特に下腿が疲労しやすい
☑︎ 足の裏全体を床につけたまましゃがむことが出来ない
☑︎ 足の甲が硬く、歩くとふくらはぎが疲れやすい
☑︎足裏が痛むことがある(足底腱膜炎)
☑︎ タコやウオノメができやすい
ひとつでも当てはまる場合はお早めにご相談ください

当院の主な検査方法

診察
問診において患者様から症状をお聞きして、医師が視診・触診にて足の骨格・形状、左右差などを観察していきます。
また、靴のすり減り方でも状態を見ていきます。
⚫︎普段よく履く靴のほかに、通勤時・習い事・ウォーキングなどに使用する靴をご持参いただくとより詳しい診察が可能です

レントゲン検査
ハイアーチは足部のレントゲン写真で診断します。
レントゲン検査では、立ったままの状態で撮影し(体重による負荷をかけた状態)、アーチ構造の変化をとらえます。
場合によっては荷重下での胸椎、腰椎、股関節、膝関節のレントゲン検査を行うこともあります。

フットプリント検査
場合によってフットプリント(足型採型)をすることにより、足裏のどこに体重がかかっているのかを調べることができ、目には見えにくいと ころまで足の状態が解ります。

歩容解析(Gait Anaysis)
当院では体の動作・身体構造・筋肉活動を計測装置で記録し、歩行を視覚的に分析するシステムを導入しています。
歩行時の衝撃の度合いなどの細かな検査を行い、適切な治療の提案を目指します。